
こんな悩みに答えます。
パンツ一枚で脱力感たっぷりに横たわるこの斬新なイラストの本。
あなたも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
『やる気があることは素晴らしい』『あきらめない事が大事だ』という現代社会の考えに、あえて逆からツッコミを入れた一冊です。
読み終わる頃には、張り詰めていた心が自然と軽くなっていますよ。
あやうく一生懸命生きるところだった【概要】
はじめに本書の基本情報を見ていきましょう。
作品:『あやうく一生懸命生きるところだった』
作者:ハ・ワン(著)岡崎暢子(訳)
発売:2020年1月16日
価格:本体1,450円+税
作者のハ・ワンさんは40歳という人生のターニングポイントを機に『今日から必死に生きないことにしよう』と決意します。
「そんなのナマケモノの生き方じゃないか」と思う人もいるかもしれませんね。
ワンさん自身も、この選択がどんな結果に終わるか分からないと語っています。
読み進めていくうちに凝り固まった自分の思考も、実はこれくらい柔軟で良いのではないかと感じることができました。
それではさっそく、本書の要約と感想を紹介していきます。
あやうく一生懸命いきるところだった【要約】
今回は本書の第一章の内容を要約していきたいと思います。
というのも第一章の内容があまりに濃く、そしてこの本でも最も重要だと感じたからです。
・ 要約①『知らず知らず参加している社会のレース』
・ 要約②『やる気はなくても良い』
・ 要約③『ほかの道はないは間違い』
・ 要約➃『そこまで深刻に生きるもんじゃない』
ひとつずつ解説していきます。
要約① 知らず知らず参加させられていた社会のレース
一生懸命をやめた生活の中であワンさんはあることに気がつきました。
それは、知らずのうちに自分は社会のレースに必死になっていたという事です。
この社会はとにかく勝ち負けを決め上下を付けたがります。
そのためみんな、良い成績を取るため上へ上へと目指す事に全力を注ぎ続けている。
そんな正体不明のレースに気付いたワンさんはこう語っています。
あのレースの名前は何だっただろうか?
誰が一番お金を稼ぐでしょうか大会?
誰が一番最初に家を買うでしょうか大会?
誰が一番最初に出世するでしょうか大会?
さっぱりわからない。とにかく僕は、この正体不明のレースで好成績を出そうと足を動かし、しゃかりきになっていたようだ。
引用:「あやうく一生懸命生きるところだった」
必死になりすぎていた自分がふと我に返る言葉でした。
上を目指すことはもちろん悪いことではないですが、そこにしがみつきすぎると心が疲れてしまいますよね。
私もブログをやっていて、なんとか上を目指そうと奮闘していました。
しかしいつからか『やらなきゃいけない』という勝手な義務感が生まれ、文章を書くことに正直少し疲れていたところだったんです。
この本を読んで『もうちょっとマイペースでもいいんじゃない?』と考えるようになり、文章をまた書きたいと思えるようになってきて、今回この記事を書きました。
先がなかなか見えないのは辛いけど、やっぱり自分のペースって最強だと思います。
要約② やる気は自分のために使え
やる気にみなぎる人、努力して上を目指す姿は確かにかっこいいですよね。
私たちの中にもいつしか『やる気=素晴らしい』という意識が植え付けられてしまっています。
やる気とは自ら作り出すものであり、誰かに強要されて出すものではない。
引用:『あやうく一生懸命生きるところだった』
しかしやる気はいつしか『当然持つべきもの』になってしまい、世間がやる気を強要しているように思えてならないと、ワンさんはいいます。
熱く頑張る人を見てはやる気のない自分はダメな人間だと、自分を責めてしまった経験ありませんか?
しかし深刻になる必要はなく、やる気が無いなら無いで別にいい。
なぜなら、やる気はすり減ります。
そのため無理に出そうとすると、本当に必要な時に使えなくなってしまうのです。
無理に出そうとせず自分がやる気を注ぎたくなるものに出会った時、自分のためにやる気を使う事が大切です。
要約③ ほかの道がないは間違い
『絶対にあきらめない』漫画の主人公などもよくこの台詞が飛び交って、私たちの心を熱くしますよね。
ほんの少し顔を上げて周囲を見渡すだけで、選択肢がいろいろとあると気付くのに、執着してしまうとそれが見えなくなる。
たった一つ、この道が唯一の道だと信じた瞬間、悲劇が始まるのだ。
引用:『あやうく一生懸命生きるところだった』
本書では公務員試験に試験に四浪し自殺たとう青年のニュースが取り上げられています。
彼の悲劇は「公務員以外に自分が生きていく道はない」と考えてしまった事です。
道は絶対に一つではない。
ひとつの道にこだわり過ぎるのは、ほかの道をあきらめるのと同じ事だと語られています。
あきらめる事も立派な勇気であり、それができた自分をもっと褒めて良い。
一つの道にこだわりすぎて押しつぶされるくらいなら、別の道に進んで新たな発見を得た方が自分のためになりますねよ。
意外と方向を変えてみたその道が、自分にとって今より活き活きした場所になるかもしれません。
要約➃ そこまで深刻に生きるもんじゃない
人生はよく『なぞなぞ』に例えられる。
本来なぞなぞは楽しむものであるのに、私たちはその答えを必死に悩み過ぎているとワンさんは言います。
答えを探す事に集中しすぎるあまり、問題を解く楽しさを忘れてはいないか?
なぞなぞの答えは、間違っていても面白いもの。
正解しなくても良いのだと思えた瞬間、一気に肩の荷がおりますね。
今後むずかしい問題に直面し頭を抱えたら、『楽しんでる?』なんておどけた感じで自分に問いかけてみようと思います。
あやうく一生懸命生きるところだった【感想】
「こうでなけらばならない」、「みんなと違うと不安だ」誰もが少なからず、心にある感情ではないでしょうか。
私がこの本を手にした理由も『真面目すぎる自分の性格を少しでも変える事ができたら』という思いからでした。
頑張ること努力することはもちろん良いことだし、そんな人に憧れます。
ただ私も『努力=素晴らしい』という方程式が根付いていた末に、楽しむことを忘れていた気がしました。
『あやうく一生懸命生きるところだった』が沢山の人に読まれ、この本はすごいと言われるのは凝り固まった読者の心を軽くする一冊だから。
いつしか遊び心を忘れてしまった大人たちに、真面目すぎるが故に自分はなんてダメなんだと責めてしまう人に読んで欲しい。
少し心を軽くして見てみたら、意外と今深刻になっているその問題もそんなに悩まなくていいのかもと思えてきますよ。
まとめ
今回は『あやうく一生懸命生きるところだった』の要約と感想を紹介してきました。
人とは違う生き方をするって、憧れるけど正直そうできないから悩んじゃうんですよね。
何もこの本の自分のように『今すぐ仕事を辞めて自由に生きろ!』なんて事は言わないワンさん。
ただ、悩み過ぎて押し潰されそうになるくらいなら、こんな考え方もあるんだよと優しく語りかけてくれる本でした。
今回は第一章を要約しましたが、その後の章にもまだまだ心を軽くしてくれる言葉と考え方が書かれています。
興味のある方はぜひ手に取って見て下さい。